日本工芸会東日本支部

染織

染織は、文字通り、染めることと織ることをいいます。わが国の染や織は、その意匠や技術を主に海外からの影響の下に発展させてきました。飛鳥・奈良時代には隋・唐から、室町・桃山時代には明や南蛮から、そして明治時代には西欧から多大な影響を受けました。しかし、染や織の技術はわれわれが衣生活を営む上で不可欠のものであり、風土と不可分であること、そして、周囲を海に囲まれ他民族に一度も制圧されなかったという歴史の幸運によって、わが国では先進的、且つ独創的な染織文化が連綿と育まれてきました。

日本工芸会東日本支部には、重要無形文化財保持者(人間国宝)の小宮康孝・古賀フミ・田島比呂子・佐々木苑子を筆頭に関東、甲信越、東北、北海道在住の染織作家、約150名が在籍しています。


鑑賞の手引き

染めには、友禅・型絵染・江戸小紋・長板中形・木版染・絞り染・ローケツ染など。
織物には、紬織(つむぎおり)・錦織(にしきおり)・紋織(もんおり)・羅(ら)・上布(じょうふ)・縮(ちぢみ)・絽(ろ)・縮緬(ちりめん)・綴(つづれ)・風通(ふうつう)など。
他には、組紐(くみひも)・刺繍(ししゅう)・佐賀錦(さがにしき)などがあります。


友禅(ゆうぜん)

友禅染は、江戸時代中期に大成された絵模様染です。
糸目糊による防染技術が考案されたことにより、自由奔放な図柄は、わが国独特のものです。友禅染は主に京都、金沢、東京等で行われており、江戸時代以降の染色技術の代表的なものです。


友禅訪問着「いとざくら」 田島比呂子


紬織(つむぎおり)

紬は本来、屑繭(くずまゆ)から作られた真綿(まわた)を手紡ぎにした糸で織られる丈夫な織物であり経絣(たてがすり)、緯絣(よこがすり)などの技法により発展して、手のぬくもりを感じさせる地風や品格の有る作品などはその特色の一つといえます。


紬織着物「春思」 佐々木苑子


型絵染(かたえぞめ)

型染めは本来型紙を使って文様が反復されるのが常態ですが、独創的な絵模様は琉球紅型等から発展して、独自の領域で意匠力と技術力が重視した型絵染という独自の分野を生み出しました。


長板中形(ながいたちゅうがた)

元は浴衣を染めるための技法で、他の型染めと異なるところは、約六メートルの板の上に生地を張り、表の模様に合わせて裏にも型付けをする両面糊置であり、藍に浸けて染める技法は経験と感を要します。


江戸小紋(えどこもん)

小紋染は、江戸時代に武家の裃(かみしも)の染模様として大いに隆盛し、わが国の代表的な染色技法の一つとなりました。
糊に染料を混ぜヘラでしごいて染める技法が特色であります。明治以後、量産を目的とした着物の柄として広く普及し今日、江戸小紋と称されています。


江戸小紋着尺「菊菱入り隅切平角」 小宮康孝


木版染(もくはんぞめ)

木型による染めで、桜の木等で彫った版に染料をつけて生地に押印し模様を染めるなど版画と同様の技法で模様を表現しています。


蝋染(ろうぞめ)

奈良、平安時代におこなわれ、中断の後、近代になって復興されました。溶かした蝋を筆等で描いて模様を表現する独自な技法です。


絞り染(しぼりぞめ)

奈良時代からの技法で布地を括(くく)ったり、絞ったりして染料に浸すとそこが防染され模様になる。匹田(鹿の子)絞り、有松絞り・鳴海絞り等各種の絞り技法ができました。


佐賀錦(さがにしき)

和紙を細かく裁断し、それを縦紙として織り台に張り、緯糸(よこいと)として染色した絹糸等を用いて綾織(あやおり)にします。


佐賀錦茶杓袋「月雪花」 古賀フミ


刺繍(ししゅう)

日本刺繍は生地を台に張って、文様を絹糸などで繍(ぬい)取りして表現しています。繍糸(ぬいいと)は色糸、金銀糸を使い相良繍(さがらぬい)、平繍、刺し繍、斜繍(しゃぬい)、管繍(すがぬい)、駒繍、等の技法を用いて、装飾性を高めています。


組紐(くみひも)

貴族の装束から始まり、形態に丸紐と平紐があります。数十本の絹糸を一束にし、その幾束かを斜めに交差させて綾を組んでいく技法です。

※染織工芸の作品は、今まで紹介した技術や技法の練磨に加えて、創造性豊かな図案から創りだす作品が重視されております。


出品される皆様へ

出品される皆様には、下記の項目にお目通しいただき、より良い展覧会が開催出来ますよう、ご協力下さいますようお願いいたします。

名札貼付について

名札貼付の位置については、出品申し込み用紙の裏側の図を参考にして、正しい位置に貼付するようお願い致します。名札は小物等をのぞき タテ10cm、ヨコ7cm の布片を縫いつけて下さい。

搬入する際の箱について

出品作品は相応な箱に入れて搬入する事になっていますが、紙包みや、作品に合わない小さな箱にむりやり入れてくる等、不適切な物が数多くあります。ご自分の作品にふさわしい大きさの箱に入れて搬入するようお願いします。
一人で二点出品する場合は、一点ずつ別の箱に入れて下さい。箱には題名、作者名をお書き下さい。

出品作品の絵羽(仮仕立)について

展覧会に出品する作品にふさわしい、きちんとした絵羽(仮仕立)をするようお願い致します。襟の始末や身幅等、仕立て上がりにより近い絵羽(仮仕立)をして下さい。

まち針等の残留について

搬入された作品に、まち針が残留していることが少なからずあります。これは搬入されて以後の鑑審査、図録撮影、陳列、撤収、巡回展などの各作業のなかで危険であると共に作品汚損の原因にもなります。出品する人の責任において注意確認をお願い致します。

輸送搬入の時間厳守

搬入された後の作業は会員が行っています。時間内に届かないと、お手伝いいただく会員に余分な負担をかけてしまいます。余裕を持って届くように発送して下さるようお願い致します。

作品の売約について

近年、非売の作品が大変多くなっております。元より売約の可否は作家に決めていただく事ですが、染織部会としても、各会場としても、売約可能な作品が多くなることを願っております。出品者の皆様には是非この点をご理解いただき、展覧会が末永く開催出来ますよう、ご協力をお願い致します。